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相続税を税理士に依頼するメリット

ご家族が亡くなった場合、保有している財産が一定の基準を超えた場合、相続税の申告を行う必要があります。

相続税の申告内容が実際と異なっていたり、期限に間に合わず放置したりすると重いペナルティを課せられてしまいかねません。

今回は、相続税を税理士に依頼するメリットについて考えていきたいと思います。

相続税の納税が発生するケースとは?

相続税とは、亡くなった方(以下、被相続人)の財産を相続したときに、相続人や受遺者に対して課せられる税金のことです。

相続が発生したすべての方が対象というわけではなく、相続税の基礎控除を上回っていた場合に、申告と納税を行う必要があります。

相続税の基礎控除額は、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」という計算式で算出することができます。

たとえば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人いる場合について考えていきましょう。

■3000万円+(600万円×3人)=4800万円

上記の場合、相続財産の総額が4,800万円を超える場合に、相続税の申告と納税が必要となります。

なお、基礎控除額は、相続人のうちの1人が、相続放棄を行ったとしても変わることはありません。

相続放棄をした相続人の数を含めて計算することになります。

相続税の申告は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。

何も手続きをすることなく、相続税の申告期限を過ぎてしまうと、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性があるため、注意が必要です。

相続税の申告を自分で行うリスク

相続税の申告は、自分で行うことも可能です。

しかし、相続財産の評価や、特例・控除の適用など、専門的な知識が必要なため、リスクが伴います。

申告内容に誤りがあった場合、税務署からの指摘や、追徴課税といったペナルティが課される可能性があります。

特に、相続財産に不動産や非上場株式など相続税評価額の算出方法が複雑なものが含まれている場合、税理士などの専門家なしに正確な評価額を算出することが難しくなります。

自力で申告を行った結果、税務署に評価額が低いと判断されれば、税務調査に入られ、追徴課税を課されることにもなりかねません。

さらに、本来受けられたはずの特例や控除が適用されず、不必要な税金を支払うことになるリスクもあるため、税理士に依頼した方が良いといえるでしょう。

相続税を税理士に依頼するメリット

相続税は、専門的な知識が必要なため、自力で行うことは困難です。

しかし、税理士に依頼すれば、次のようなメリットを受けることができます。

メリット①正確な税務申告ができる

相続税を税理士に依頼するメリットとして、正確な税務申告ができる点があります。

税理士は、税務に関する専門家です。

そのため、相続財産の評価や、特例・控除の適用など、複雑な手続きをミスなく正確に行うことができます。

これにより、申告漏れや計算ミスによる追徴課税のリスクを回避できます。

また、税理士が作成した申告書は、税務署からの信頼性が高いため、税務調査の対象になりにくいというメリットもあります。

メリット②特例や控除のアドバイスを受けられる

相続税には、配偶者控除や小規模宅地等特例など、様々な特例や控除があります。

これらの特例や控除は、適用要件が複雑なため、自分で判断するのが難しいです。

税理士は、相続人の状況や、相続財産の内容に合わせて、最適な特例や控除のアドバイスをしてくれます。

これにより、合法的な範囲で最大限の節税効果を得ることができます。

特例や控除を最大限に活用することで、相続税の負担を大幅に軽減できます。

メリット③二次相続を考慮したアドバイスを受けられる

二次相続とは、両親のどちらか一方が先に亡くなり、遺産の承継が完了した後に、残された親が亡くなり、遺産が子どもたちに引き継がれる2回目の相続のことを指します。

二次相続が発生した場合、被相続人の配偶者がいないため、相続税の配偶者控除を利用することができません。

また、法定相続人自体も一次相続よりも減ってしまうため、対策をしないと結果的にトータルで支払う相続税が多くなることがあります。

税理士に依頼すれば、二次相続を考慮した相続対策を提案してくれます。

これは大きなメリットといって良いでしょう。

メリット④税務調査が入ったときに対応を任せられる

相続税の申告を税理士に依頼するメリットとして、税務調査が入ったときに対応を任せられる点があります。

相続税は、法人税や所得税などの税務調査よりも、調査割合が高いといわれています。

税務調査は、管轄の税務署の調査官から申告内容を質問することになります。

質問に対して明確に答えるためには、事前準備が必要ですが、自力で行うことは非常に困難です。

税理士に依頼していれば、税務署とのやり取りや税務調査前に行うべき資料の準備を一括して任せることができます。

これにより、追徴課税を受けずにすんだり、課税されたとしても低く抑えられる可能性が高まります。

メリット⑤遺留分など複雑な事情の申告を任せられる

相続財産に、遺留分を巡るトラブルや、非上場株式といった評価が難しい財産が含まれている場合、相続税の申告がさらに複雑になります。

税理士は、これらの複雑な事情を考慮した上で、正確な申告書を作成してくれます。

また、弁護士と連携して、遺産分割をめぐるトラブル解決をサポートしてくれることもあります。

相続税を税理士に依頼しなくてもいいケース

相続税の申告は、状況によって税理士に依頼しなくてもいいケースがあり、次のようなものが考えられます。

  • 財産が預金であるとき
  • 土地はきれいな整形地であるとき
  • 遺産額が低いとき

財産が預金や現金のみである場合、相続税の計算が複雑ではないため、税理士に依頼せず、自力で行うことができます。

 

また、土地がきれいな整形地の場合、路線価と土地面積で相続税評価額が算出できるため、税理士に依頼しなくても問題無いケースが多いです。

 

土地が複雑な形の場合、路線価と地積で計算すると税金が高くなるため、税理士に相談した方が良いと言えます。一方で、遺産の総額が低い場合には、全体に対する相続税率がそもそも低いため、評価に多少の誤差があったり過大に申告していたとしても、税額への影響は限定的なこともあります。

控除制度を利用して相続税の支払いが生じない場合

相続税の基礎控除額を超えると、基本的に納税が必要となりますが、特例や控除を利用することによって相続税の納税額がゼロになることがあります。

 

具体的には次のような制度があります。

  • 相続税の配偶者控除制度を利用する場合
  • 小規模宅地等の特例を利用する場合

これらの特例を適用するためには、たとえ納税が生じない場合であっても相続税の申告が必要です。
また、法律上は期限後申告であっても適用は可能ですが、遺産分割の状況によって手続きが異なるなど内容が複雑になることがあります。そのため、期限後申告を行う際には、税理士に依頼することをおすすめします。

一方で、期限内申告を前提とした場合、財産が自宅に集中していたり、配偶者が比較的若く全財産を取得するようなケースでは、特例の適用によって相続税が発生しないことも少なくありません。
このような場合には、ご自身で申告手続きを進めてもリスクは比較的少ないといえます

まとめ

今回は、相続税の申告を税理士に依頼するメリットについて考えていきました。

 

相続税の申告は、自力で行うことが非常に困難です。税理士の費用を懸念して自力で行った結果、申告に漏れやミスがあり、結果として税理士への報酬よりも高い追徴課税を支払うことになるケースも少なくありません。

 

相続税は申告納税方式が取られています。

 

税務署は申告額が実際の額よりも低いときには確認の連絡をしますが、反対に納めすぎたときには、「納めすぎたので返金します」という連絡は来ません。

したがって、納めすぎた税金を還付してもらうためには自主的に行う必要があるため気を付けましょう。

 

相続税の計算や申告方法は、ひとによってそれぞれです。そのためお困りの場合には、精通した税理士に相談することをおすすめします。

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